

ふとしたときに目につく、肌のシワやたるみ。歳を重ねれば誰しも避けられない変化ではあるものの、いずれもある日突然現れるものではありません。日々の積み重ねによって徐々に目立ち始めるシワやたるみは、早めに手を打つことが鉄則です。
そこで今回は、シワとたるみが生じる根本的な原因から、効果的なシワ改善有効成分、日常生活で実践できるエイジングケア方法などをご紹介。年齢に負けない美しさを手に入れるために、ぜひ参考にしてみてください。
シワ・たるみはなぜできる?種類別の原因や仕組み


シワは1種類ではなく、種類によって原因や仕組みが異なります。対策を講じるためには、まずそれぞれのおさらいしておきましょう。
乾燥による表皮の小ジワ
肌の水分量が低下すると、角質層の柔軟性が失われ、小ジワが形成されやすくなります。乾燥した肌は外部からの刺激にも弱くなり、さまざまな肌トラブルの引き金に。目じりや口もとなど、皮ふが薄く乾燥しやすい部位に多くみられます。
また、年齢を重ねるほどに肌のターンオーバーが遅くなると、肌のうるおいを保つバリア機能が低下。ターンオーバーの乱れによって古い角質が蓄積し、スキンケアアイテムの浸透が悪くなり、より乾燥するという悪循環を招くこともあります。
肌内部のハリ・弾力の低下による真皮のシワ、たるみ
肌の深部(真皮層)にあり、肌の弾力を支えているコラーゲンやエラスチン、うるおいを保つヒアルロン酸などは、40代を過ぎるころから減少・劣化。肌の土台がもろくなってハリが失われたり、みずみずしさが失われて乾燥小ジワが刻まれたりすることで、深いシワやたるみにつながってしまいます。
また、紫外線の影響も少なくありません。特に、UVA(紫外線A波)は真皮に存在するコラーゲンやエラスチンなどを破壊するとされており、そのダメージが年齢を重ねるほど蓄積されてシワやたるみにつながります。
表情のクセによるシワ
笑ったときの目じりのシワ、眉をひそめたときの眉間のシワ、考え込んだときのおでこのシワなど、繰り返される表情の動きが肌に刻まれるパターンも。若い頃は表情を戻すと消えていたシワも、加齢によりコラーゲンやエラスチンが減少すると残りやすくなってしまいます。
集中ケアにはシワ改善の効果が認められたアイテムを
シワもたるみも、できる前の対策が重要であることは言うまでもありません。しかしシワについては、すでにある場合は「シワ改善」の効果が認められた医薬部外品が心強い味方に。具体的な有効成分や、選び方のポイントを解説します。
シワ改善の効果が認められた有効成分
「シワを改善する」と明記するには、厚生労働省認可の有効成分が含まれた医薬部外品(薬用化粧品)である必要があります。
シワ改善をうたえる有効成分は、「ライスパワーNo.11®︎+」「ナイアシンアミド」「レチノール」「ニールワン」の4つが代表的。それぞれの特徴は下記の通りです。
ライスパワーNo.11®︎+
日本人になじみ深いお米を、麹菌などの微生物の力で発酵・熟成して作られた有効成分。肌の水分保持能改善とシワ改善をWで叶えることで注目を浴びています。セラミドを生み出して肌の水分保持能を改善するだけでなく、肌の表皮・基底膜・真皮にアプローチしてシワを改善します。
ナイアシンアミド
ビタミンB3の一種で、体の中にも存在する補酵素のひとつです。シワ改善以外に美白の有効成分としても認証を得ており、Wの効果をうたっている製品も少なくありません。セラミドをはじめとする細胞間脂質の産生をサポートするなど、多面的な効果が期待できます。3つの中では比較的作用が穏やかなため、敏感肌の方や初めてシワ改善成分を使用する方にもおすすめです。
レチノール
ビタミンAの一種であるレチノールは、皮ふのターンオーバーや表皮でのヒアルロン酸産生、コラーゲンやエラスチンの産生をサポートし、深いシワにもアプローチ。シワをはじめとするさまざまな肌トラブルに効果が期待できる一方で、乾燥などを感じやすい方も。低濃度から始め、肌の状態を観察しながら徐々に頻度や濃度を上げていくのがおすすめです。
ニールワン
4つのアミノ酸誘導体から成るシワ改善成分。真皮内でコラーゲンやエラスチンなどを分解する、「好中球エラスターゼ」という酵素のはたらきを抑制することでシワを改善します。
気になるシワの度合いや部位によって使い分けを
シワ改善の効果が認められたアイテムには、主に顔全体に使用できるものと特定の部位にポイント使いするものの2種類があります。
軽微なシワの改善や顔全体のハリケアを目的にするなら、全顔用のアイテムを。顔全体に使えるように、比較的使用感がおだやかなナイアシンアミド「ライスパワーNo.11®︎+」を使用したものが大半です。目もとや口もと、眉間、ほうれい線など、特定の部位が気になる場合はポイントケア用のアイテムを選びましょう。レチノールやニールワンなどの有効成分が高濃度で配合されているものが多くあります。
全顔用のナイアシンアミド「ライスパワーNo.11®︎+」配合製品で全体的な予防ケアを行い、特に気になる部位にはポイント用アイテムを追加するという使い分け方法もおすすめです。
肌なじみのよさや、好みの使用感かどうかもチェック
どんなに優秀なシワ改善成分が配合されていても、肌になじまなければその効果を十分に発揮することはできません。特に年齢を重ねた肌は、若い頃に比べて化粧品の浸透が悪くなりがち。テスターや口コミなどで肌なじみのよさを確認するのはもちろん、成分のサイズを小さくするナノ化技術や肌への親和性を高めるリポソーム化技術など、浸透をよくするための工夫が凝らされているかなどを確認しましょう。
また、心地よく使えるテクスチャーかどうかも大切なポイント。ストレスなく使うためだけでなく、適切な量を使うためにも重要といえます。朝のメイク前には軽め、夜は濃厚なものにするなど、朝晩で使い分けるのもひとつの手段です。
日常生活でもエイジングケアを意識
シワやたるみの原因は多岐に渡るため、日頃の習慣も見直すことが大切です。シワ改善アイテムの使用と並行して、以下の習慣にも気を配ってみましょう。
年間を通して抜かりのないUVケアを行う
前述の通り、紫外線はシワを加速させる要素のひとつ。紫外線は季節や天気にかかわらず地上に届くので、年間を通して毎日UVケアを行いましょう。また、紫外線の中でも特にシワに影響するA波は波長が長く、窓ガラスも通過するとされています。家から出ない日でも軽めのパウダーを使うなどして、紫外線対策を取り入れることをおすすめします。
保湿ケアを怠らない
乾燥による小ジワは保湿すれば目立ちにくくなるものの、ケアを怠るとシワが深くなることも。季節に関係なく、十分な水分と適切な油分を補う保湿ケアに力を入れましょう。
化粧水や乳液による基本アイテムに加え、美容液やクリームを取り入れることをおすすめします。美容液やクリームにはシワ改善の効果が認められた医薬部外品の製品も多いため、セラミド・ヒアルロン酸・コラーゲンなどの保湿成分が同時に配合されたものを探してみてください。
食生活・睡眠・ストレスマネジメントに気を遣う
美しい肌のためには、からだの内側からのケアも欠かせません。偏りのない食生活を意識した上で、コラーゲンの生成に必要なビタミンC、抗酸化作用のあるビタミンE、肌のターンオーバーを促進するビタミンA、良質なタンパク質を積極的に取り入れてみてください。緑黄色野菜やフルーツ、魚類、豆類などをバランスよく食べるとよいでしょう。
睡眠は、肌の修復や再生が行われる重要な時間。質の高い睡眠を確保するため、心地よく眠れる環境へとアップデートしましょう。必要な睡眠時間は人によって異なるため、自分が「十分に寝た」と感じられる時間を把握することも大切です。
そして意外と大切なのが、ストレスを溜め込まないこと。ストレスは活性酸素の増加やホルモンバランスの乱れを引き起こすため、肌老化にもつながりかねません。没頭できる趣味を見つけるなど、自分なりのストレス解消方法を見つけておきましょう。質の良い睡眠にもつながる、軽い運動の習慣をつけることもおすすめです。
表情を豊かにし、クセを直す
身体と同様に、顔の筋肉も使わないと衰えていきます。気のおけない友人や家族と会って会話を楽しんだり、情緒的な映画やドラマを観たりと、表情が豊かになるようなイベントを増やしてみてください。
また眉をひそめる、口もとに力を入れる、ほお杖をつくなどのクセがある場合は、見直すことも大切。自覚がない場合は、周囲の親しい人に指摘を頼むのも手です。
まとめ
年齢とともに現れるシワやたるみは、避けることのできない自然な変化。しかし適切な知識とケアによって、進行を遅らせたり目立ちにくくしたりすることは可能です。シワ改善アイテムを使いつつ普段の生活にも気を遣い、シワやたるみの目立ちにくい若々しい印象を目指しましょう。


