肌悩みは年齢を重ねるごとに変化していくもの。特に40代以降は肌に変化が出やすく、30代までと同じケアでは物足りなくなることも珍しくありません。そんなとき、まず見直したいのはスキンケアの基本となる化粧水・乳液。毎日欠かさず使うアイテムの選び方や使い方をアップデートして、美しく年齢を重ねましょう。
※この記事での「浸透」は角層まで、「美白」とはメラニンの生成を抑えてシミ・ソバカスを防ぐこと、「エイジングケア」とは年齢に応じたケアを指します
スキンケアの成果が出にくくなる理由は?40代・50代の肌に起きている変化
以前と比べてお手入れの手応えを感じにくくなるのは、ごく自然なこと。年齢を重ねるほど変化する肌に対し、適切なケアを取り入れていく必要があります。具体的に、40代・50代の肌にどのような変化が起きているのかを見ていきましょう。
肌の水分を保持する力が落ち、乾燥が常態化する
肌のうるおいを保つために角層に存在する細胞間脂質は、加齢とともに生産量が減少していきます。特に肌のバリア機能を維持するために欠かせないセラミドは、年齢とともに著しく減少。肌のバリア機能が低下し、外部からの刺激に弱くなったり、肌内部の水分が蒸発しやすくなったりします。その状態が続くと肌は慢性的な乾燥状態に陥り、今まで気にならなかったカサつきやつっぱり感が常態化する原因に。インナードライと呼ばれる、肌内部が乾燥した状態にもつながります。
皮脂分泌が低下し、うるおいが不足しやすい
肌の表面は皮脂と汗が混じり合ってできた「皮脂膜」で覆われており、肌からの水分蒸発を防ぎ、外部の刺激から肌を守るバリアのような役割を担っています。しかし40代以降になると、女性ホルモンの減少や新陳代謝の低下に伴って皮脂の分泌量が減少。特に皮脂腺が少ない目もとや口もとといった乾燥しやすい部分は、より深刻な乾燥状態になりがちです。皮脂膜が形成されないことで肌の保護機能が弱まり、外部からのダメージを受けやすくなるだけでなく、肌全体のうるおいが失われやすくなります。
角層肥厚によるごわつきやスキンケアの浸透の悪さ、くすみ
肌の細胞は、一定期間で生まれ変わるサイクル(ターンオーバー)を繰り返しています。しかし加齢とともにターンオーバーの周期が遅れ、古い角質が肌表面に留まりやすい状態に。角層が厚くなり、肌がごわついて硬くなることで、化粧水をはじめとしたスキンケア類が肌に浸透しにくくなります。また、古い角質が肌表面に蓄積すると光を反射しにくくなるため、肌全体の透明感が失われがちです。
紫外線ダメージの蓄積によるハリ・弾力の減少、シワ
「光老化」は肌の老化の約8割を占めると言われるほど、肌に大きなダメージを与えるのが紫外線です。紫外線のうちA波には、肌のハリや弾力を保つコラーゲンやエラスチンを破壊・変性させる性質があります。紫外線によるダメージが蓄積されると、その影響でたるみや深いシワ、小ジワが徐々に健在化してしまうのです。
加齢に伴うシミの顕在化
加齢とともに肌のターンオーバーが遅れ、過剰に生成されたメラニン色素がスムーズに排出されにくくなると、肌表面にシミが現れ始めます。紫外線を長年浴び続けている場合は真皮へのダメージが蓄積されているため、その影響がより顕著になるでしょう。紫外線による「老人性色素斑」のほか、女性ホルモンのバランスの変化が原因となる「肝斑」、摩擦などの刺激による「炎症後色素沈着」など、シミの種類も多様化します。
化粧水と乳液をアップデートするときのポイント
肌に起きている変化を理解したら、スキンケアアイテムをアップデートしましょう。中でもまず見直すべきは、毎日のケアの基本となる化粧水と乳液です。加齢による悩みに合う化粧水と乳液を選び、スキンケアの土台を整えましょう。
どんな肌にも保湿は最優先
あらゆる肌悩みのきっかけになる乾燥は、年齢を重ねるほど加速します。化粧水も乳液も、保湿力に優れたものの中から選びましょう。高保湿成分が配合されているもののほか、「エイジングケア用」と書かれているものを選ぶのもおすすめです。
肌状態や悩みに合った成分が配合されたものを選ぶ
特定の肌悩みがある場合は、それに対応できる成分が配合されたものを選びましょう。悩み別のおすすめ成分を一部ご紹介します。
・乾燥:ライスパワー🄬No.11、セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲン、グリセリン、スクワランなど
・ハリ、弾力不足:レチノール、ナイアシンアミド、ペプチド、アスタキサンチン、コエンザイムQ10など
・シワ:レチノール、ナイアシンアミド、ライスパワー🄬No.11+(プラス)など(「シワ改善」の効能効果が認められた医薬部外品)
・シミ、ソバカス:コウジ酸、ビタミンC誘導体、アルブチン、トラネキサム酸など(「メラニンの生成を抑えてシミ・ソバカスを防ぐ」効能効果が認められた医薬部外品)
・ごわつき、肌のざらつき:AHA(α-ヒドロキシ酸)、グリコール酸、乳酸など
化粧水と乳液はライン使いがおすすめ
別のブランドの化粧水と乳液を組み合わせても問題ありませんが、迷ったらライン使いがおすすめ。多くの場合、ライン使いで相乗効果を発揮したり、より効率的に美容成分を補ったりできるように設計されているためです。別のブランドのアイテムを取り入れたい場合は、美容液やクリームなどでプラスするのもよいでしょう。
化粧水と乳液の使い方のポイント
自分に合う化粧水と乳液を見つけたら、使い方も改めて意識しましょう。適切な使用量と方法で使うことで、化粧水と乳液の魅力を最大限に引き出すことができます。
適量をきちんと使う
化粧水と乳液の使用量は、メーカーが推奨する量を守ることが基本。もし特に指定がなければ、化粧水は500円玉大、乳液は10円玉大を目安にしてみてください。40代以降の肌は乾燥しやすいため、少し多めに使うのがおすすめです。
肌を擦らないよう丁寧に塗布する
摩擦はシワやシミ、たるみなどを助長させるため、肌を擦らないよう丁寧になじませましょう。化粧水・乳液ともに、顔全体に広げたら肌をやさしく包み込むようにハンドプレスするのが効果的です。
なお、化粧水・乳液のいずれもコットン・手どちらで塗布しても構いません。それぞれにメリット・デメリットがあるため、好みや肌の状態によって使い分けましょう。
手のメリット、デメリット
肌への摩擦を最小限に抑えることができ、体温で温めることで浸透がよくなります。乾燥が気になる場合や肌が敏感に傾いているときは、手での塗布がおすすめです。一方で、塗り方や量によってはムラになったり、ベタつきが気になったりすることも。
コットンのメリット、デメリット
均一に塗布でき、ベタつきを感じにくいのが魅力です。古い角質をやさしく取り除けるので、肌のゴワつきが気になるときにもおすすめ。ただし量が少ないとコットンが毛羽立ち、繊維が肌にとって刺激になるため、手で使うよりも量が必要になります。
洗顔後はすぐに保湿する
洗顔直後は肌のバリア機能が低下しやすいため、すぐに化粧水・乳液で保湿しましょう。脱衣所や洗面所などに化粧水・乳液を常備しておくと、時間を空けず保湿することを習慣化しやすくなります。
まとめ
年齢とともに変化する肌をケアするためには、まずスキンケアの土台となる化粧水・乳液の見直しが吉。自分の肌に合った化粧水と乳液を選び、毎日のスキンケアを丁寧に行うことから始めてみましょう。ベースの基礎化粧品をアップデートすることが、きっと自信あふれる未来につながります。