スキンケアからヘアケアまで、さまざまなアイテムに活用されている「バーム」という剤型。一見すると硬めでありながら、体温でとろけるように広がる使用感が特徴です。本記事では、バームという剤型の特徴を改めて解説するとともに、特に多く見られるフェイスバームの選び方や使い方をご紹介。普段のお手入れにバームを取り入れて、より充実したスキンケアを楽しんでみませんか。
バームとは?性質や特徴
まず、バームの性質や特徴、用いられるアイテムやオイル・クリームとの違いをおさらいしましょう。
バームとは、油系成分を主成分とした半固形の剤型
「バーム」とは、油系成分を主成分とした半固形(練り状)の剤型のこと。体温でゆっくりと溶けて肌になじむ特性があり、密着性や保護力、保湿力の高さが特長です。水分の割合が非常に少ないため、オイルやクリームよりも質感がこっくりとしています。
バームが使われる製品はさまざま
バームはさまざまな美容製品の剤型として採用されていますが、最もメジャーなのは肌の保湿を目的としたバーム。油分を主成分としていることから高い保湿力があることはもちろん、肌への密着度が高いため、乾燥や紫外線、摩擦などの外的刺激から肌を保護する効果も期待できます。
ほかにもクレンジング・ヘアスタイリング・リップケア・ネイルケア・フレグランスなど、バームの剤型が用いられている製品は多数。ポーチをすっきりさせたいときや時短派の方にもぴったりな、肌・髪・唇に使えるマルチタイプのバームも多く発売されています。
オイル・クリームとの違い
油性成分を半固形状にしたバームに対し、オイルは液状のまま。そのぶんオイルは肌なじみがよく、軽やかな使用感が特長です。一方、油分を中心に水分も加えて乳化したクリームは、油分による保湿感と水分によるみずみずしさを両立したタイプと言えます。それぞれにメリットがあるので、目的に合わせて使い分けるとよいでしょう。
フェイスバームの選び方
数あるバームの中でも、今回は特にメジャーな「フェイスバーム(スキンバーム)」について深掘り。まずは、フェイスバームの選び方のポイントをお伝えします。
使用シーンに応じた容器の形状を選ぶ
自宅でのスキンケア時にのみ使うなら、一般的なジャータイプでOK。出先でのメイク直しや日中の“追い保湿”に使うなら、繰り出しタイプのスティックタイプやチューブタイプが便利です。爪や目もとなど、細かい部分にピンポイントで使いたい場合にも重宝します。チューブタイプのバームはテクスチャーが比較的柔らかいため、クリームのように使うことを想定している場合にもおすすめです。
肌以外にも使いたいなら、マルチバームを選ぶ
先述の通り、フェイスバームにはマルチユースタイプがあります。髪・爪・唇などの肌以外にも使いたい場合は、使用可能な部位を確認しましょう。
肌悩みや目的に合わせて配合成分を確認する
フェイスバームの基剤となる成分は、ワセリンやシアバター、ホホバオイル、ミツロウ、馬油などが代表的。いずれも高い保湿力が期待できる成分ですが、肌悩みや目的に応じてその他の成分にも着目してみましょう。
例えば肌の乾燥が特に気になるなら、バリア機能をサポートするセラミド類がおすすめ。また、中には美白有効成分のトラネキサム酸や、肌あれを防ぐグリチルリチン酸ジカリウムが配合された薬用のバームもあります。エイジングサインが気になる方は、シワ改善の有効成分であるナイアシンアミドが配合されたものを選ぶのもよいでしょう。
さらに、肌がデリケートな方は敏感肌向けをうたっている製品や、無香料・無着色・アルコールフリーなどの低刺激処方が施されているものもチェックしてみてください。
テクスチャーの好みで選ぶ
バームと一口に言っても、こっくりと重めのものからなめらかで軽いタッチのものまで、質感はさまざま。肌になじませた後のベタつき具合や肌なじみのよさなど、自分の好みに合った使用感のバームを見つけましょう。
なお、好みにかかわらず、朝のスキンケアに使う場合は重すぎないバームがおすすめ。過剰な油分はメイクのヨレやくずれやすさにつながるため、比較的軽やかな使用感のバームを選びましょう。
フェイスバームの使い方のポイント
最後に、フェイスバームを快適かつ効果的に使うために意識しておきたいポイントをご紹介します。
使いすぎないよう、適量を意識する
バームは油分が多いため、使いすぎると肌がベタついてしまうことも。バームのタイプや肌の状態、好みやアイテムにもよりますが、全顔に使う場合はパール1粒大ほどで十分です。もし多く使いすぎてベタつきが気になったら、軽くティッシュオフして油分を抑えましょう。
手のひらで温めてからなじませる
バームは“半固形状”なので、そのままでは硬く肌になじみにくいことも。適量を取ったら手のひらで温めると、体温でバームがとろけて肌なじみがよくなります。とろけたバームがついた手のひらで顔全体を包み込むように、ハンドプレスしてなじませましょう。
スキンケアの最後に使うのが基本
油分が多いバームは肌を保護する効果が高いため、スキンケアの最後に使うのが基本です。スキンケアの始めや途中に使うと、その後に使うアイテムがなじみにくくなるため注意しましょう。
朝、メイクの前に使う場合は薄めに
フェイスバームは朝のケアに取り入れることもできますが、その際は薄く均一にのばすのがポイント。特にヨレやすい目もとや口もとには、多くつけすぎないように気をつけましょう。
まとめ
さまざまな製品に採用されるバームは、保湿力に優れた剤型。特に顔の保湿に特化したフェイスバームは、肌の乾燥が気になる方の強い味方です。体温でとろけてなじむユニークな質感も楽しみながら、毎日のスキンケアやヘアケア、ボディケアにぜひ取り入れてみてください。