覚えれば一生使える♪
ブランドバッグを長く愛用するためのメンテナンス方法

自分へのご褒美として手に入れる人も多い、ハイブランドのバッグ。しかし愛用した分だけ汚れも気になりますよね。そこで今回は、All About『レディースバッグ・鞄』ガイドの伊藤妃実子さんに、ブランドバッグのお手入れ方法を教えていただきました。古くなってクローゼットに眠ってしまっているバッグがあるという方も、正しいケアをすれば一生モノバッグ復活のチャンスです!

末長く使うために!
ブランドバッグの定期ケア

さまざまな素材があるなかから今回お手入れ方法をご紹介するのは、エナメルとレザー(牛革)の2種類。どちらもハイブランドバッグの素材としてよく使われています。お手入れはそれぞれ月1回程度でOKなので、毎月末は「バッグメンテナンスの日」などと決めると習慣になって良いかもしれませんね。

■上品な光沢感が魅力の「エナメル革」
<準備するもの>

・柔らかい布(ネル生地がおすすめ)、または大きめの柔らかいブラシ ・エナメル専用汚れ落としクリーナー

<お手入れの手順>
1.ホコリをブラシで払う

ネル生地などの柔らかい布、または大きめのブラシでバッグ全体のホコリを払います。ネル生地は高級ブランドバッグなどの外袋の素材として使われているもので、通販などでも購入可能。ブラシはフェイスブラシなど大きめで柔らかい毛先のものなら何でもOKです。
「エナメルは静電気でホコリを集めてしまう素材なので、デザイン的にドレープになっている部分やファスナーの溝などに溜まりやすい傾向があります。ホコリがある状態でバックを磨いてしまうとエナメルを傷つけてしまうことがあるので、まずはホコリを落とすことが必要です」(伊藤さん)

2.専用クリーナーでバッグの汚れ落とし&ツヤ出し
柔らかい布にエナメル専用の汚れ落としクリーナーを1cm程取り、バッグの底面に薄く伸ばすように塗り広げます。5分程待ち、傷みや変色がなければ側面、表面とバッグ全体にも塗り、拭くように磨きましょう。
「素材や加工によってはシミになってしまう生地もあります。使用するクリーナーとの相性やどのくらいの量を塗るのがよいか、まずは目立たない底面でチェックするのがコツです。エナメルは磨けば磨くほどツヤが出てくるので何回か往復させるように拭くと良いですよ」(伊藤さん)

■柔らかさと丈夫さを兼ね備えた「レザー」
<準備するもの>

・柔らかくて乾いた布(エナメル革同様、ネル生地でOK)
・革専用汚れ落としクリーナー
・革専用の栄養クリーム
・ミンクオイル(※革小物など皮脂がつきやすいものの場合に使用)

<お手入れの手順>
1.乾拭きでホコリを払う

エナメルほどホコリの溜まらないレザーは、まずは乾いた布で乾拭きをする程度で十分です。簡単にほこりを落としましょう。

2.専用クリーナーでバッグの汚れを落とす
革専用の汚れ落としクリーナーをネル生地などの柔らかい布に1cm程取り、エナメルと同じように底面から拭いて5分程待ち、傷みや色落ちをしていないかチェックします。

3.革専用の栄養クリームで仕上げ
栄養クリームをバッグ全体に塗り込んで、お手入れ完了! 乾燥によるひび割れを起きにくくし、ツヤを出す効果があります。名刺入れや財布など、皮脂がつきやすいアイテムには革の栄養補給としてミンクオイルを薄く塗るといいでしょう。

雨や水に濡れた際のお手入れ方法

「ポイントは、濡れたらその場ですぐに乾いたハンカチやタオルで拭くこと」と、伊藤さん。すぐに拭くことでシミをある程度防げると言います。

「それができない状態でしたら、まず帰宅して乾燥したタオルでバッグ全体を拭いてあげてください。その後、湿気がこもらないよう椅子やテーブルに立てて置き、一晩干します。翌日は通常のお手入れを行えばまた復活しますよ。ただし雨のたびに汚れ落としクリームをする必要はありません」(伊藤さん)

諦めないで!
バッグ復活のためのサービス

きれいな状態を保つためには定期的なケアが欠かせないということが分かりましたが、久々にクローゼットから出すバッグがセルフケアでは限界……という状態の場合もありますよね。伊藤さんによると、以下のようなときはお店にお任せしてみると良いそうです。

・カビが生えてしまったとき
・持ち手が壊れるなど、お直しが必要なとき
・日焼けや飲み物をこぼし、変色がある場合

「素材全体をきれいにしたい場合は革製品の取り扱いのあるクリーニング店、持ち手や金具が取れたり壊れたりといった修理的な要素があるときは職人さんがやっているような修理屋さんがおすすめです」(伊藤さん)

バッグのプロが教える!
きれいキープのコツ

最後に、大切なバッグと一生お付き合いするために、知っているときれいが長続きするポイントを教えていただきました。

その1.1日使ったバッグは立てて休ませる
「バッグは基本、立てて収納。こうすることで型崩れせず、湿度も溜まりにくくなります。しばらく使わないバッグも、化粧箱に入れて保存するより購入時の外袋に入れて立てて保存するほうがいいんです。また、バッグはすぐにクローゼットのなかにしまうと湿気がこもるので、使った日はクローゼットの外で休ませてください」(伊藤さん)

その2.ニオイケアにはアロマが活躍!
「保管時のニオイ対策として、アロマサシェをバッグにひとつ入れておくと安心です。革表面には“なめし”という加工がしてあり、表面からのニオイはつきにくいのですが、内側はクローゼットのなかに入れておくとニオイがこもってしまうことがあります。バッグひとつひとつに入れるのが面倒な場合は、アロマストーンにアロマオイルを垂らしてクローゼットのなかに置いていただくだけでも大丈夫です」(伊藤さん)

その3.糸のほつれはライター1本で解決!
「職人さんも使う方法なのですが、持ち手など糸が飛び出してしまっている部分にライターの火を近づけると、簡単にほつれを直すことができます。ライターの炎の上側は熱いので、炎の側面をほつれた部分に近付けて、余熱で固めるようにしましょう。ほつれがなくなるとバッグが新品のように見違えますよ。ただし布だと焦げてしまうので、この方法は革素材のみ可能です」(伊藤さん)

革バッグのお手入れは、「肌と同じように、洗顔(汚れ落とし)と保湿(栄養クリーム)が大事です」と語る伊藤さん。ブランドバッグを一生モノにできるかは、あなたのお手入れ次第です。手に入れたときのワクワクした気持ちと同じように、日頃のケアも楽しみながら行ってみてくださいね!

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専門家

伊藤妃実子さん

グラネス株式会社代表取締役兼デザイナー。MADE IN JAPANのバッグブランド「GRANESS/グラネス」を主宰

慶應義塾大学出身で、創業100年の歴史を有する老舗の研究家でもある。海外のトレンド情報をはじめ、日本の伝統、文化、素材に着目した情報も発信。

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