冬の手あれ対策を万全に!乾燥を防ぐハンドクリームの選び方や塗り方のコツ

冬の手あれ対策を万全に!乾燥を防ぐハンドクリームの選び方や塗り方のコツ

年間を通して気になるものの、冬はとくに手の乾燥やあれが顕著になるシーズン。手あれを防ぐためにはハンドクリームが欠かせませんが、いくら保湿しても変わらない・・・と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。冬の手あれ対策として取り入れたい、ハンドクリームの選び方や使い方をレクチャーします。

手あれの症状と原因

冬の手あれ対策を万全に!乾燥を防ぐハンドクリームの選び方や塗り方のコツ

冬の手あれ対策を万全に!乾燥を防ぐハンドクリームの選び方や塗り方のコツ

「進行性指掌角皮症(しんこうせいししょうかくひしょう)」と呼ばれる、いわゆる「手あれ」。初期段階ではかさつきや軽いひび割れが起こり、指先から手全体にまで症状が広がってしまうことも。

肌は角層にある皮脂膜によってうるおいを保持していますが、手はほかの部位よりも皮脂腺が少なく、角層が厚いという特徴を持っています。空気の乾燥や気温の低下、水仕事やアルコール除菌などにより水分が奪われやすく、厚い角層は柔軟性が低下します。皮脂腺が少ない分、うるおいが奪われてもすぐに自力ではリカバーできません。

乾燥だけじゃない!
手あれが進行することによるトラブル

手の乾燥を放っておくと、さらなるトラブルにつながってしまうことも。ただの「手あれ」にとどまらないトラブルと、その原因を知っておきましょう。

あかぎれ

手肌のうるおいが失われて乾燥すると発生する「ひび割れ」が進行し、肌の柔軟性が低下してさらに亀裂が深くなった状態。痛みや出血を伴うこともあります。通常の手あれが悪化して起こるので、根本的な原因は同じです。

手湿疹

乾燥してあれるだけでなく、手や指に炎症が起きている状態。発症のメカニズムや原因によっていくつかの種類に分類されますが、主に「刺激性接触皮ふ炎」や「アレルギー性接触皮ふ炎」などがあります。

刺激性接触皮ふ炎

水仕事や手先を使う作業など、手が常に外的ダメージを受けることで発生する、手湿疹の7割を占める症状。誰にでも起こりえますが、主婦(夫)や美容師、飲食店のスタッフなど、水仕事が多い方によく見られます。乾燥やひび割れ、あかぎれのほか、指先のささくれが多く見られ、ひどくなると赤みやかゆみ、じくじくした湿疹や痛みが起こることも。

水や摩擦で手のうるおいが奪われること以外に、石けんや洗剤などによる慢性的な刺激が大きく関係していると言われています。また、冬に悪化することが多い傾向があるのも特徴のひとつ。空気が乾燥しているため、慢性的な刺激がよりダメージにつながってしまいます。

アレルギー性接触皮ふ炎

特定の物質に対するアレルギー反応により、皮ふにかゆみや発疹、炎症などが起こることもあります。アレルゲンとなることが多いのは、消毒液やゴム手袋、石けん、洗剤、シャンプーなど。アレルギーがあると少し触れただけでも手あれを起こすことがあります。

触れている間にアレルギーが蓄積されるので、突然発症するケースもあるので注意が必要。とくに、肌のバリア機能が低下しているとアレルギー反応が出やすくなると言われています。

ハンドクリームの選び方

手あれ対策のためには、まず肌の乾燥を防ぐことが大切。ハンドクリームで疑似的な皮脂膜をつくり、外的刺激から手肌を守りましょう。手の状態や悩みに合わせて選ぶポイントをお伝えします。

かさつき予防には、保湿に特化したハンドクリームを

乾燥以外の症状が出ていないなら、悪化を防ぐためにも保湿成分がしっかり配合されたハンドクリームを選びましょう。そもそもハンドクリームの基本的な機能は「保湿」ですが、とくに以下のような保湿成分が含まれているとよいでしょう。

・ヒアルロン酸
・グリセリン
・セラミド
・ヘパリン類似物質
・ワセリン
・コラーゲン
・シアバター(シア脂)
・ホホバオイル

ひび割れやあかぎれには、有効成分が入った医薬部外品を

ひび割れやあかぎれがある場合は、有効成分入りの医薬部外品(指定医薬部外品を含む)を選ぶのがおすすめ。グリチルリチン酸ジカリウム・dl-カンフル・グリチルレチン酸などの抗炎症成分のほか、血行をサポートするビタミンE、抗炎症・血行促進・保湿を兼ねたヘパリン類似物質などが代表的です。

ひび・あかぎれがひどい場合は医薬品のハンドクリームを選ぶのも一手ですが、そこまで深刻な場合は皮ふ科の受診が理想です。どうしても足を運べない場合は、ドラッグストアで薬剤師などに相談してみるといいでしょう。

皮ふが硬いなら尿素配合タイプを。ただし傷があると沁みるので注意

ごわついた手肌には、硬くなった角質をやわらげる尿素配合のハンドクリームが適しています。ただし傷があると沁みてしまうので要注意。ひびやあかぎれ、ささくれなどの傷がある場合は、治るまで使用を控えましょう。

香り・テクスチャー・容器は好みや使用シーンに合わせて選ぶ

香りやテクスチャーは好みで選べばOK。香りや使用感に満足できないと頻繁に使う習慣がつかないので、気に入るものを見つけましょう。容器はジャーとチューブが多く、最近ではポンプタイプも出ています。置き場所や使うタイミングに合わせて選んで、複数の場所に置いておくとこまめに使うクセがつきますよ。

日中はUVケアできるとさらに◎

紫外線は乾燥やシミ・シワなどのトラブルにつながるため、手も顔などと同様にUVケアするのが理想。日中に外出する機会が多いなら、バッグには日やけ止め機能が付いたハンドクリームを常備しておくのもおすすめです。上でお伝えした選び方をチェックしながら、UVカット機能があるかにも注目してみてください。

ハンドクリームの効果的な使い方

適切なハンドクリームを選んだら、正しく使って効率よくケアしましょう。塗るタイミングや回数とともに、意識しておきたい塗り方のコツをご紹介します。

塗るタイミング・回数

ハンドクリームは手を洗うたび、何回でもこまめに塗るのが理想的。洗面所・デスクの上・玄関・キッチンなど、家のさまざまなところに常備しておくと、頻繁に使う習慣がつきやすくなります。

日中まめに塗るのが難しい方は、せめて夜寝る前にたっぷり使うようにしましょう。枕元にハンドクリームを用意してみてくださいね。

正しい塗り方

1回あたりの使用量は人差し指の指先から第1関節まで、手あれがひどい場合は第2関節までが目安。量が少ないと効果を得にくくなるので、とにかく多めに使うのがポイントです。

手の甲にのせてから、指の1本1本にまでクリームが行き届くように全体になじませましょう。指先のあれがひどい場合は、先に指先(爪の周り)にクリームをつけてから、手全体へ広げていくのもおすすめ。就寝時には、上からシルクや綿の手袋をすると保湿効果が高まります。

まとめ

手あれを防ぐためには、ハンドクリームの活用が必要不可欠。あれてしまう前も、あれているときも、そしてあれが落ち着いた後も、常にハンドクリームでの保湿を心がけましょう。食器洗いのときには手袋を着用したり、あれにくい洗剤やハンドクリームを使ったりといった工夫も取り入れてみてください。