みやぶ人 ~美しく生きる人には、美学がある。~

Column2018 / 03 / 19

伝統の中から紡ぐ新しさ ~和漢の魅力~

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中国の伝統医学では、天然の動植物や鉱物を病の治療を目的として組み合わせ、生薬として使ってきました。中国医学の考え方にもとづいて処方された生薬を「漢方薬」、「中薬」と呼びます。そして、中医学をベースにしながも、日本の気候・風土や体質に合わせて日本で独自に発展し、使われるようになった生薬を「和薬」といいます。これらを総称して「和漢薬」といい、長い伝統の中でその有効性に長く継承されてきました。

ハトムギも「和漢薬」のひとつです。生薬名は「ヨクイニン」と呼ばれます。紀元2~3 世紀ごろには医学書「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」に登場し、「上薬」に分類されています。「上薬」とは、薬の中でも最高のものを意味し、薬用効果が高く、体の働きを整え、長く服用しても副作用がないものを指します。中国の宮中では、皮膚の色素沈着、そばかす・赤みをとり、肝斑を消し肌を透明にする食材として、また肌に塗るパック剤としてもすでにポピュラーだったようです。

日本でも、江戸末期の『経験千万』という書物には、「イボをとるには、ハトムギのお茶を飲むとよい」と記載されていますし、江戸時代の養生家貝原益軒が編さんした『大和本草』には、「ひどいニキビにはハトムギを煎じて飲むと効果がある」とも書かれています。

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事例は昔のものだけにとどまりません。70代の友人男性は、ハトムギを愛用して老人瘢が薄くなりました。久しぶりに会ったときに、肌が白くつやがあるのに気づいて、「若返られたみたいです。」とお伝えしたら、「ハトムギを毎日30gほど、ご飯に混ぜて食べているんです。そうしたら、シミが、ほら、消えたでしょう?」。

ハトムギがイボをとり肌をなめらかにするのは、「コイクノセラノイド」という有効成分によると言われます。そのような成分を知ることもできなかった時代から、経験的にその効果が語り継がれ、今も使われ続けていることに驚きと感動を覚えます。

雪肌精MYVには、この和漢薬ハトムギを熟成させたエキスが含まれています。日本の気候は湿り気が多く、味噌・甘酒・日本酒・納豆など熟成と発酵を得意としてきました。熟成や発酵のプロセスを経ると、体への吸収が高まることはよく知られています。

「和漢薬」のひとつである、ハトムギを和の技術のひとつ熟成発酵によって質を高め、体の深い部分へと届ける。「和漢薬」という伝統の中から、21世紀という時代を生きる私たちの体や肌に価値あるものを新たに作り出す。

伝統の蓄積があるからこそ紡ぎだせる新しい和漢の形を肌で、体で感じてください。

Profile

薬膳料理家 阪口 珠未(さかぐち すみ)

株式会社漢方キッチン代表 薬膳セラピスト資格 創始者 国立北京中医薬大学 日本校薬膳研究科講師 「おいしく、カラダとココロをリリースする」を テーマに、 1999年、株式会社漢方キッチン設立。わかりやすい薬膳料理研究の 草分けとして活躍中。 おいしく、日本人のカラダに合う薬膳料理研究のパイオニアとして 活躍中。
【株式会社漢方キッチン】

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