みやぶ人 ~美しく生きる人には、美学がある。~

Column2017 / 09 / 22

さらに賢く、さらに美しく、 あなたを内側から磨く薬膳のエッセンスを分かりやすく紹介。

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こんにちは、今回から3回にわたって、薬膳とそのベースになる中国医学の考え方をご紹介していきます。「薬膳」と聞くと、「苦い、おいしくない、むずかしそう、漢方薬が入った食事」と思われる方もいるかもしれませんね。でも、普段何気なく召し上がっているお食事も薬膳だったりするのです。


例えば、夏に実る梅の実。赤紫蘇と一緒に漬けた梅干は、さっぱりとした味が夏の料理にぴったりです。
梅はアジアではポピュラーな食材で、インド、中国、韓国でも砂糖漬け、燻製などさまざまに食べられます。でも、梅干に紫蘇を入れて作るのは日本だけなのです。
梅は奈良時代以前に薬として伝来しました。薬膳では胃腸の働きを整え、食欲を増進する働きがあります。紫蘇も漢方薬のひとつ。梅と同じく胃腸の働きを高めます。
日本の夏の特徴は湿気が多いこと。胃腸の働きを高める食材を組み合わせることで、薬効を高め、夏に起こりやすい病を防いでいるのです。
このように、薬膳とは「薬の入った食事」ではなく、食材の薬効の組み合わせによって、「食事を薬のように使うこと」と言えます。


そして、食材や薬草の薬効を組み合わせる考え方を「君臣(くんしん)佐使(さし)」と呼びます。漢方薬の処方にも多く使われる法則です、『君薬』『臣薬』『佐薬』『使薬』と混ぜる生薬や食材の役割を決めてチームにし、より薬効を高める方法です。
『君薬』は治療の主体となる薬。『臣薬』は君薬を助けて治療効果を高めます。『佐薬』は一緒に出やすい症状を治療したり、副作用を抑えます。『使薬』は全体の調和をとります。
梅干は、梅が主薬・紫蘇が臣薬です。雪肌精も雪肌精MYVも、この君臣佐使の考え方に基づいて、それぞれの植物の特徴を最大限に引き出す工夫がされています。君薬であるハトムギは、漢方では薏苡仁(ヨクイニン)と呼ばれ、ハトムギは、美肌には欠かせない漢方です。私の薬膳料理教室でも毎日食べることで、肌がなめらかになった、ひじの皮膚が柔らかくきれいになった、シミが薄くなったという生徒さんの声がたくさんあります。そしてハトムギの薬効を最大限に引き出すために、臣薬として当帰(とうき)と白芨(びゃくれん)を使っています。当帰は血流を促進し、白芨は清代の宮廷美容で后たちに愛用された美容パック「玉容散(ぎょくようさん)」にも配合された程の美白効果があります。さらにMYVでは、佐薬の金盞花(きんせんか)と金桜子(きんおうし)は、君臣薬の優れた特徴を助けるためにブレンドされています。金盞花は、ポリフェノールが多く含まれ、抗酸化作用に優れ、肌の損傷を癒し、肌をしっとりとさせます。バラ科の果実の金桜子は実、根、葉のすべての部分が漢方として使われます。肌に使用することで、肌細胞を活性化します。


「チームプレー」で、効果を発揮する君臣佐使の知恵を知れば、身近な食材を組み合わせて、カラダを健康に、美しく保つことができます。
大切なあなたのカラダと心。伝統の知恵を楽しみながら、さらに美しく磨いてみませんか?

Profile

薬膳料理家 阪口 珠未(さかぐち すみ)

株式会社漢方キッチン代表 薬膳セラピスト資格 創始者 国立北京中医薬大学 日本校薬膳研究科講師 「おいしく、カラダとココロをリリースする」を テーマに、 1999年、株式会社漢方キッチン設立。わかりやすい薬膳料理研究の 草分けとして活躍中。 おいしく、日本人のカラダに合う薬膳料理研究のパイオニアとして 活躍中。
【株式会社漢方キッチン】

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