人権尊重の取り組み

各種人権課題・指標の社内啓発活動

2022年度 人権教育啓発活動(すべて社外有識者によるレクチャー)

目的 実施内容 対象者
コーセーグループ人権方針の理解促進 コーセーグループ行動指針および人権方針の理解 コーセーグループ社員
(受講率:100%)
「ビジネスと人権」の
理解促進
「ビジネスと人権における指導原則」の理解と自社人権リスク課題の共有 コーセーグループ(国外現地法人含む)
部門長・管理職・指導的地位にある役職者
(受講率:100%

オンデマンド受講含む

個別人権課題の
理解促進・啓発
LGBTQ+を含む多様なジェンダー理解促進のための教育 コーセー化粧品販売株式会社
美容教育職・ビューティコンサルタント
部下の多様性に配慮したマネジメントをするための「アンコンシャス・バイアス」研修 新任管理職・新任監督職
(受講率:100%)

2023年度 人権啓発活動(すべて社外有識者によるレクチャー)

目的 実施内容 対象者
「ビジネスと人権」の理解促進・個別人権課題の理解促進 「ビジネスと人権における指導原則」の理解と人権リスク課題共有 コーセーグループ(国外現地法人含む)
部門長・管理職・指導的地位にある役職者
(受講率:100%

オンデマンド受講含む

個別人権課題
の理解促進・啓発
部下の多様性に配慮した「アンコンシャス・バイアス」マネジメント理解講座 新任管理職・リーダー職(受講率:100%)
実例を用いた各種ハラスメント防止理解に向けた研修 コーセーおよび国内一部関連会社マネージメント層
(受講人数:344人)
各種ハラスメント防止理解に向けたe-ラーニング講座 国内コーセーグループ社員(受講率:100%)

人権に関する相談・通報窓口の設置

コーセーグループでは、万が一人権に関する負の影響が発生した場合、それを軽減するための専用窓口を設置しています。グループ従業員へはコンプライアンス相談窓口・ハラスメント相談窓口を設置しています。取引先様については、専用のホットラインを設け、人権をはじめとするコンプライアンスに関するご相談・通報窓口を設けています。お客さま、個人の方からのご相談・通報は、お客様相談室にてお受けしています。なお、従業員・取引先様・お客さま向けのホットラインはいずれも、通報者が不利益を被ることがないよう、機密保持および匿名性を担保しています。
また、人権に関する負の影響が発生した場合は、影響を受けた方々を救済するための措置を速やかに行います。
これらの相談内容や対応、件数などについては、取締役会へ定期的に報告しています。

2023年度は、上記窓口に通報された中で、人権侵害に該当する深刻な問題はありませんでした。

人権に関する外部イニシアチブへの参画

コーセーグループは、「国連グローバル・コンパクト」の支持を表明しており、その一環として、毎年「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)」のヒューマンライツ・デューディリジェンス(HRDD)分科会および人権教育分科会にメンバーとして参加しています。外部有識者の講義やワークショップを通じて、人権尊重や人権デュー・ディリジェンスに関する理解を深めるとともに、各社と協業して人権啓発活動促進の教材開発を実施するなどの活動を行っています。
また、化粧品の製造業者によって業界の健全な発展を推進するために設立された団体「日本化粧品工業連合会粧工会」に所属し、常任理事として参画、業界共通の様々なテーマにおいて連携して取り組んでいます。粧工会では「サステナビリティ指針」を策定し、化粧品産業としての社会の持続可能な発展への貢献に積極的に取り組んでいます。2019年には、粧工会の内部組織である「環境・サステナビリティ委員会」にて「サプライチェーンにおける人権・労働リスク対応の手引き」を策定しました。それに伴い、2023年度は、業界全体での人権知識の理解深耕のために、参加企業向けにセミナーが実施され、当社からも多数の社員が参加しました。

個人情報の保護に対する取り組み

コーセーグループは、プライバシーポリシーのもと、個人情報保護の適切な取扱いの重要性を認識し、お客さまをはじめとする様々なステークホルダーが安心して当社の商品や各種サービス等をご利用いただけるように体制を強化しています。

ステークホルダー、ライツホルダーとの対話

コーセーグループでは、2019年・2021年~2023年と、経済人コー円卓会議日本委員会主催によるステークホルダーエンゲージメントプログラムに参加しました。ここでは、人権NPO/NGO、市民団体、学生など幅広いステークホルダーからの提言を元に、直接対話を実施することで、人権に関する現状の認識を深め、当社の人権デュー・ディリジェンスに反映しています。例えば、子どもの権利保護を推進するNPOとの対話では、化粧品の広告やマーケティングにおいて、子どもの権利を侵害していないか十分に企業側が確認する必要があるという認識を深め、当社グループの潜在的な人権課題のひとつとして整理するきっかけとなりました。この考えをベースに、2022年度は子どもの化粧品利用に関する社内ガイドラインを策定しています。 また、本プログラムにおいて、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)が策定した人権ガイダンスツール(Human Rights Guidance Tool)を活用し、業界毎に重要な人権課題の議論を行いました。

社内従業員に対しては、社員意識調査や360度評価を通じて、モチベーションや意向を定量的に把握することに加え、フリーアンサーから定性的な情報を集約しています。これらは情報の匿名性を担保しつつ、個人へのよりよいフィードバックや社内風土改革につなげています。2022年度の調査では、会社へのロイヤルティや仕事への充実感が、社会全体の平均値と比べて高い傾向にあることがわかった他、前回の調査と比較して、女性社員の会社に対する満足度が有意に向上していることがわかりました。今後も、社員意識調査や360度評価を数年おきに実施し、人権を含む社員の課題把握に努めていきます。

サプライチェーンにおける対話では、当社グループが実施したSAQの結果をもとに、仕入れ先様との直接的な対話を実施しました。その結果、仕入先様において設問項目内容に関して十分な理解がなされず、実際は問題がないにもかかわらず回答に不備が生じている状況も見受けられました。当社グループの購買担当部門全体で人権等に関する知識の底上げを実施する重要視を認識し、今後は仕入先様において人権を含む社会課題の担当者を設置する取り組みを進めていただくなど、次年度以降の課題としております。

また、2023年は、パーム油の生産現場の実態を把握するために、現地NGOと共に、大規模農園、家族的経営をしている小規模農園、集積所などを訪問し、現地NGOや小規模農家で働く方をはじめとする様々なステークホルダーと、現場における現状と課題・ニーズについて対話をし、課題認識を深めました。この対話の中では、現地で深刻な人権侵害が発生している実態は見受けられませんでした。しかしながら、今後も継続して注視していく必要性を認識しています。

マレーシアのパーム農家での対話

マレーシアのパーム農家での対話