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2018.7.26

無良崇人選手へのインタビュー

現役引退後、初のドリーム・オン・アイスへ。

今年の春に現役引退を発表されて、いまどんなお気持ちですか?
「今まではとにかく試合に向き合ってきたので、ジャンプや技術面に重点を置いてきましたが、いまは観に来てくださるお客様に表現者として、
“ショースケーター”として何ができるか、ということを考えています」
いつもお洒落でカッコイイ、兄貴的な存在としてもフィギュアスケート界をリードしてきた無良選手。言葉をひとつひとつ、丁寧に選んで答えてくださるその雰囲気は、また一段と大人っぽい印象。「プロになってからの変化といえば、選手時代は気づかなかった発見が沢山あって、今まではJ-POPの曲で滑ることをあまりしてこなかったのですが、最近は歌詞の想いに、自分の感情を重ねて滑ることが楽しいです。今日は藤井フミヤさんの『君が僕を想う夜』で滑ります」
この曲を選ばれたきっかけは?
「藤井フミヤさんとはアイスショーでコラボしたときに、フミヤさんの生歌で僕が滑らせてもらったんですが、本当に滑りやすくて、CDの音では感じられなかった感激があって、それで今日も応援してくださるお客様に感謝の気持ちを伝えたくて、フミヤさんの曲にしました」

現役時代、一番印象に残った試合について。

どの試合も全力で臨んでこられたと思いますが、今までで一番印象に残っている試合はありますか?「グランプリシリーズや四大陸選手権など、優勝した試合は印象深いのですが、自分の中では昨年12月の全日本選手権です。すべてをまっさらにして、リセットして、何も考えずに純粋に演技ができたんです。フリーの演技が終わった瞬間、これで選考がどうなっても、これですべてが終わっても悔いはない、やりきれたって思えたんです。オペラ座のファントムを演じきったぞと」あのときはお父様もかけつけてとても感動的なシーンでしたね。「結果的には、父を世界の舞台へ連れて行くことは叶わなかったですけどね。でも僕が3歳の時から、フィギュアスケート選手だった父と遊びながらリンクの上にいて、気づいたら選手になっていたという感覚なので。24年間も一緒にやってこられたのは、ありがたいし、僕の最大の理解者だと思います」
今、プロになって一番に励んでいることは何ですか?
「浅田真央さんたちと全国をまわっているアイスショーですね。これは、フィギュアスケートを観たくてもなかなか観られなかった地域の人たち、子供たち、又おじいちゃん・おばあちゃん世代にももっと気軽に観てほしい、という想いがベースにあって。だから、真央も舞も僕も含めてキャスト全員、ソロ以外はほぼ出ずっぱりという演目なんです。なので、見に来てくれた子供たちがフィギュアスケートって面白そうだなと思ってくれて、新しい選手が増えるきっかけになればいいなと思っています」

魔裟斗さんから刺激を受けたアスリートとしての食事

食生活やトレーニングなどは、どのようにしていますか?
現役時代と変わったことはありますか?
「この前、格闘家の魔裟斗さんとお話しできる機会があって。“ちゃんと炭水化物も摂ってる?”って言われて。糖質制限ダイエットとか流行っているけど、体の脂肪を燃やすためには、実は糖分(炭水化物)がエネルギーとして必要。だから炭水化物をゼロにしたり、摂らなさすぎは、体を絞っていこうとしているときにストップがかかってしまうのだと。確かに自分の経験でも炭水化物を抜いていると頭もボーっとするし、糖質オフはやめようと思わせてくれました」
プロになると、違うジャンルのアスリートの方たちとも交流が増えそうですね。
「そうですね、もともとゴルフも大好きでよくやりますが、プロゴルファーの方から、ゴルフのスイングも、スケートでジャンプをするときの回転も、原理は同じなんだからと指導してもらったりしています」
「あと、気をつけていることがもうひとつありました。スキンケアです。コスメデコルテの紫色の化粧水、とってもいいです」と、アジア圏でも人気が出ているヴィタ ドレーブを愛用していることを明かしてくれました。
とてもお忙しそうですが、その中で無良選手を癒すものって何ですか?
「今まであまりできなかった趣味の時間ですかね。ゴルフもそうですし、車で2時間ぐらいのドライブも楽しいです。岡山に住んでいるので、鳥取に海鮮を食べに行ったり、神戸、大阪、広島や四国まで行くときもあります」
普段からとてもアクティブなライフスタイルが、滑るときのしなやかで力強い雰囲気にも通じているのかなと思わせてくれました。

高橋選手のこと。これからの自分のこと。

高橋大輔選手が現役復帰を宣言されましたけど、どんな風に感じましたか?
「最初連絡をくれたときに、エイプリルフールだっけ?と、とってもびっくりしました。僕はずっと大ちゃんの背中を追ってやってきたので、リンクの外側と内側という、立ち位置が逆転するというのが不思議で、驚きは隠せなかったですけど、どんな演技を見せてくれるのか、いちファンとしてもすごく楽しみです。とにかく僕ができることなら協力するし、応援するよと伝えました」
今でもその先輩後輩、さらには大ちゃんと呼び合える戦友のような、強い絆で結ばれているのですね。
最後に、今現役の後輩たち、これからフィギュアスケートをはじめる子供たちに一言お願いします。
「男子は世界的に技術面がとんでもないレベルに変化をしていってるので、それを目指し過ぎて怪我をしないようにしてほしいです。ひとつの怪我で、選手生命がガラっと変わってしまうこともあるし。自分も含めてですが、自分はどういうスケートをしたいのかをしっかりと考えることが大切だと思います」
今は表現者としてリンクに立ちながら、コーチとしての勉強もしていきたいと語ってくれた無良選手。多趣味であり、社交的であり、そこで感じたことを活かしながら、これからも日本フィギュアスケート界を牽引してくれる頼もしい存在である、その風格さえ漂っていました。