増える夫との2人きり時間。
50代からの夫婦コミュニケーション術

2016-08-23

子どもに手がかかる時期が過ぎ、夫と二人の時間も増えるアラフィフ世代。しかし調査によると、時間の経過とともに結婚の満足度は減り続けるという結果が!良好な夫婦関係を保ち続けることは決してあたりまえではありません。不快感や摩擦を減らし、いい関係を保つためのコミュニケーション術を見てみましょう。

夫婦関係が危ない?!
NGなコミュニケーションはこれだ

J.M.ゴットマンという研究者は、夫婦の言動をわずか5分間観察すれば、その夫婦が幸福になるか、離婚するかどうかを91%の確率で予測できると言っています。(ゴットマンが用いたのは、意見の対立や口論の際の言動を観察・記録するシステムで通常は15分間言動を観察します)
配偶者への特に危険な地雷は以下の4つ。

1.配偶者を責める「批判」
2.配偶者をバカにしたり、軽蔑したりする「侮辱」
3.自分が正しく自分の責任ではないと主張する「言い訳」
4.話し合いをさけ、その場から立ち去ったり黙り込む「逃亡」

皆さんの家庭は大丈夫でしょうか。

パートナーに対してあからさまな批判や侮辱をする人は少数派。
「うちは大丈夫」と思っていても、批判や侮辱のニュアンスが含まれる言い回しをしていることがあります。どんなNG例があり、どう改善したらいいのか具体例を見てみましょう。

批判や侮辱を含む会話の具体例

配偶者が「夏休みは○○のアウトレットに出かけないか」という提案をしたとします。あなたはどう回答するでしょうか。

NG例)
「どうせ混んでるよ」
「でも暑いし」
「だって前の休みも酷い目に遭ったじゃない」
「近所に食事でいいよ」

正直な気持ちを伝えるのは大事ですね。
しかしこのような言い方だとパートナーは「批判」「侮辱」のニュアンスを感じるかも。相手をイヤな気持ちにさせなくとも、自分の気持ちを伝える方法はあります。

相手を責めずに意見を伝える「DDG」

では、先ほどの例の模範解答を見てみましょう。

模範解答の例)
「暑いし渋滞も大変そうだから、近所に食事がいいな」

相手を責めずに自分の意見を伝えるコツは「DDG」です。
まずは最初のD。
頭文字がDの言葉「でも」「だって」「どうせ」を排除します。「どっちでもいい」「ダメに決まってる」などDのつく言葉はネガティブなものが多いので注意しましょう。

つぎのDとGは「○○でいいよ」という投げやりな言い回しを「○○がいいな」に変更するというものです。

例)
「中華でいいよ」→「中華がいいな」

たったこれだけですが、イヤなニュアンスを込めずに自分の意見を伝えることができます。

ケンカにいたらない口論に注意!
気をつけたい話題とは

研究者たちの調査によると、夫婦に亀裂が入ってしまうのは、大きなケンカではなく些細な口論なのだそう。口論を避けるのがいいのは体感的にわかりますが、具体的にどんな話題に気をつければいいのしょうか。

<口論になりやすい危険な話題ワースト3>
第1位 子供
第2位 家事や家庭の雑用
第3位 コミュニケーション

夫婦喧嘩になる原因として、上記のランキングが報告されています(Papp et al,2009)。これらの話題になったときは、売り言葉に買い言葉とならないよう注意するといいでしょう。

男女別!不毛な口論を悪化させないコツ

不毛な口論から関係を悪化させないためのコツも知っておきましょう。特に夫は妻の話から逃げないことが重要。うんざりしてもパートナーの話を聞くようにすることで、大爆発は避けやすくなります。そして妻は昔の話を蒸し返さないこと。「あのときもこうだった」という蓄積されたストレスをぶつけても、事態は悪化するばかりです。

努力なしに円満な関係は保てない

「子供の手が離れたら、夫婦で旅行に出かける」
「定年を迎えたら、二人で共通の趣味を持とう」
漠然とそんな未来を思い描いている人は多いかと思います。
ひと昔前までは、結婚の満足度はU字型を描く、つまり、新婚時をピークに満足度は下がるものの、長い時間を過ごすうちにまた上がってくると言われていました。ところが近年の大規模調査では、結婚の満足度は結婚直後にピークを迎え、それを機に下がり続けるという事実が浮き彫りになっています。
夫婦二人の幸せなシニアライフは、あたりまえに享受できるものではありません。率直な意見を伝えるのは大切ですが、相手の気分を害さない伝え方を心がけましょう。夫がなにかしてくれたら褒める、大げさに喜ぶというのもいい方法です。

「なんで私ばかりが気を遣わなければならないの?」という不満はもっともですが、ちょっとしたコミュニケーションテクニックで快適な暮らしが手に入るなら安いもの。正しさよりも、思いやりと、それによって手に入る結果を重視してみませんか?

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専門家

All About「話し方・伝え方」ガイド

藤田尚弓さん

コミュニケーション研究家。株式会社アップウェブ代表取締役を務める。コミュニケーションデザインの研究を行い、テレビ番組でのコメント、企業や大学などでの研修、執筆活動などを行っている。著書は「NOと言えないあなたの気くばり交渉術」他多数。